魔の一夜/
坂本瞳子
鳥のそれのように
美しい瞳を輝かせて
指先に炎を灯す
そうやって
この冷え切った身体を
温めるふりをして
取り憑くつもりか
まあそれもいい
この人里離れた山の麓
あばら家で
一人きりで朽ちるよりも
幻だろうと
魔物だろうと
ぬくもりに包まれたい
ほんの束の間であろうとも
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