不幸の天才/まーつん
 


優しさには牙をむき、
肩にかけてくれた毛布を切り刻み
寒い風の中怖い顔して笑う君が
ノイズ交じりのブラウン管に
白黒で映る

苦しみに
飽きることはない?
野の獣となった君の心は
猟師と勢子に追い立てられ
二枚のコンクリに挟まれた袋小路で
立ち往生してる

解けないパズル
絡みあった糸

温もりと優しさは
すぐそばに控えているのに
君は裸の肩を震わせて
冷たい床にうずくまったまま
見え透いた宿題を課して
この世界に送り出した神様に
怒りを抱いてた

その想いを
火の中から取り出した石みたいに
胸元に押し付けて体を温める

でも、

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