犬の毛布/
はるな
約束が わすれられ ふるびて かわきながら
そこにあり続けるのを しっていた
バス停みたいに でん とつったって
おたがいに これからも
わすれられ続けるのだ
犬の絵の毛布が
ベビーカーから すべりおち
小さな手が さようならを言うように
ひらひらとふるえていた あのときも
かなしいのは さびしさよりも
犬の絵の毛布
あたたかで やわらかく しめっていて
だれかが きっと それを探している
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