おみくじを引いて、彼女を見られなかった/秋葉竹
 
おみくじを引いて
中の吉凶を見ずに
コートのポケットへ入れる
クシャクシャにした
紙屑に
運命を左右されてたまるものか

「どうだった?」

「さあ………?」


代わりにみてあげるねって
ポケットから紙屑を取り出し
綺麗に皺を伸ばす
「やった、だいきちだね。」
そう言うと、そのまま境内の木に結び
振り返ってにっこり笑ってくれた

「大吉は、家に……」

僕の質問を察して
その後を言わせないためにか

「コーヒーなにがいい?」
てきくから
「微糖か、ブラック」
て答えると
「そこは甘さこってりのやつでいいよ」

「………?」

「甘さ
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