フラグメンツ/雪どけ 三十一音/AB(なかほど)
 
君へ 山白く 
今日も白く 白くまぶしい



白と見た灰 雪の上にこぼして
もうとけ消えることはないのです



世界地図に要冷凍ひとつずつ
融けてしまうのは僕らなのか

雪溶けのように君の中からも消え 
誰かの鼻歌らいらと消え

誰かさんの幸せ花 匂う頃
北の森では最後の吐息



藻採り雪近づく炉端きゅうきゅうと
支度する祖母 乙女に変わる

手をつなぐ忘れたふりの手とつなぐ
小さい頃の君に会うため



どこからか冬越しバッタ飛んで来て
恍惚の目を奥からの灯に

ねえジミー ただそれだけで
まだ青い芝生の上に出ようと思う




   
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