初冬三首/藤原絵理子
 
秋ふけて、もみぢがしとねに寄すとて
もみぢ葉の落つるけしきもはかなきに 霜にきほひてつもりぬるかな

浅茅がうへに露おきぬるとてよめる
冬枯れの草葉にむすぶ夕露の 玉なすがごとあけぼのの袖

池のほとりに冬来ぬるとて
ことわりと思ひ知るともわびしきは 憂きこがらしの寄するささなみ
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