泣かないで、クリスマス イブ/秋葉竹
あのー、大丈夫ですか?
振り返った天使は、
けれど、決して涙は浮かべておらず、
その口元にはかすかな微笑みさえ浮かべていた。
あ、ありがとう、ございます。、
大丈夫です。1人で、立てますから……
そうだろう。
私の手助けなど、何の役にも立たないだろう。
一応、手を貸して立ち上がるの待ち終わった私が
それでは、お大事に。
と別れて行こうとすると
(お願いだから、行かないで…)
明らかに頭の中に聞こえた幻聴なんだけど
それはあまりにも生々しい涙声で
私の1番白くて柔らかい心を掻きむしった。
彼女を救えるものなら、救ってあげたい
と、心の芯から
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