泣かないで、クリスマス イブ/秋葉竹
 
クリスマス イブに降る
乾いた粉雪のなか、
折られた翼を引きずった天使が、
私の街を歩いている。
悲しみをおし殺しているんだろう、
けっして俯かない?にあたる風に
ピクピクと泣き黒子のあたりを痙攣させて、
でも、前だけ見て歩いている。
もはや翼とは呼べない羽根のかたまりも
アスファルトに擦れた傷は痛々しく、
細く長い血の道を描きながら
ふらつきながらも、歩いている。

誰か彼女を救ってやってはくれないだろうか?
私に出来るなら私がやってあげたいけれど
私には、無理だから。
私こそが堕天使の…
あ、よろけ…こけちゃった…
え? 誰も声もかけないの?

あの
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