レモン/ふじりゅう
 
レモンよ

お前はどうして

人を殺めるほどに明るいのだ

私の胸の中に溶け込んで

明くる日も明くる日も共に暮らさないか


レモンよ

だけどひとたび中身を開けば

甘いは粋なあなたの

照れ隠しのようなものであったのか

冗談のような明るさも

痛快なほどの生き方も


レモンよ

私はあなたに教えなければならないのに

教えられることで埋め尽くされそうだ

屋根裏の暗がりの埃まで

太陽はいくらも明かりをくれないのに


おお、レモンよ・・・

私は君の果実の意味を

初めて肌で感じているのだ

砂で汚れた手すりの端を

指で齧ると少し冷たかった

君には何時も新鮮な星屑の

真ん中で流れ星を照らしていたから

熟れた檸檬のような人生を

送れるように遠くで願おう。



レモンよ

お前はどうして

人を殺めるほどに明るいのだ・・・


レモンよ、

レモンよ、



おお、レモンよ ───

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