「初冬の薫風」 七首/もっぷ
 
夜想う朝想う昼想う夫わたし死ぬほどヨウ君が好き


クリスマス大人の国のサンタさま夫より短い生をください


夫ついに水虫であると告白しわが足の指に宿命を説く


歌を詠むペン音だけの静けさの理由(わけ)はさびしさ夫が夜勤で


何故に幾たびも問うた夜多し他(ひと)にわからぬ恐怖抱えて


夫眠る寝息聴こえる休日の普通らしさに憧れていた


遠い日の少女に宛ててしたためる便箋は蒼風薫らせて


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