シーサイドライン/山人
海に行きたいと思った
また、冬に身を投じ、雪まみれにならなければならない
その前に、できるだけ平坦で、広大な場所に行きたかった
もともと、すべての生き物は海からはじまった
コンビニで食料を買い、シーサイドラインに入った
やはり、水平線はごくわずかに曲がり、この星が球体であるという事を示してくれている
清流の涼やかな流れではなく、わずかに濁った冬の海は言葉が見つからないほど巨大だ
波はうねうねと遠くまで続き、細かく刻まれた岩礁が奇怪な形をしている
登山道は参道の延長から入り、標高六〇〇余りの信仰の山へと向かう山道が続いている
行きかう人たちの挨拶が鬱陶しくもありながら、
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