空中電池/竜門勇気
 

いつかは
僕の次の人が来るって思ってた
降臨の準備をしながら
誰もしてないことを探してる

そこにいたんだね
劣等感で動けなくなる君が
そこにいたんだね

なにかが
僕にあらわれて
変われるんだと思ってた
今の姿の気持ちなんか考えなかった
今の自分の気持ちなんか
嘘だって思ってた

歪は
売れないんだ

歪んだ眼鏡で生きるんだ
ないよりはマシだけど

どこかに
同じ気持ちの人がいると思ってた
そんな幻想を見るぐらいの元気があるうちは

ひずみは
邪魔なんだ

ひずんだ世界にいきるため
それ以下になっちゃダメだったんだ

どこかに
まだ気付いてない人がいるんだと思ってた
でもみんなもう死んじまってたんだ
ひずみは邪魔だ
幻想は邪魔だ
思いは全部、ただのフィルターだった
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