夕暮れの街を見下ろす/
秋葉竹
罪は、何かと問われても、
何を許せば良いのかがわからない。
この、冬へ向かう街の、
見渡す限り明日の見えない
黒ばかりが深い闇の暗さは、
誰の眼にもあきらかなのに、
ただ、雪の降り来るのを待つしかない。
一夜(ひとよ)にして真っ白な、
聖域に染め変えてくれる、
峻烈な裁きを、待つしかない。
不透明な夜を前にし、
自分を抱き締め、震えるよりほか、
なすこと、なにひとつない、無力さが虚しい。
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