「誰かのいつか」 五首/もっぷ
 
夕凪の浜で拾ったビードロの小瓶で眠る誰かのいつか


流木と貝殻たちの沈黙の傍らの海を見るガガーリン


お昼寝を漁師にとわにうばわれたお魚たちのしょっぱいなみだ


地平線越えゆく渡りが忘れても翼は運ぶかのふるさとへ


足跡は夫と私のものだけの朝の砂浜それだけでいい


[グループ]
戻る   Point(6)