宙とひとり/
木立 悟
水面の夜
水底の鍵
不死と仮定の王国
窓を次々と閉める人
まっすぐな虹の撓むうた
飛沫 飛沫
消えずに重なる
水紋の火輪
羽が降り 羽が降り
雨を覆い 鍵を隠す
羽の上の羽
透明の底に沈む羽
指 息 笑み
生まれゆく波
揺らぎを見つめ
青を見つめる
泡の表面
生まれては去るいのちたち
水紋の夜
名を失くす夜
横たわる身体に
打ち寄せるまぶしさ
瞬きの間に変わるものたち
すべて高く 遠いものたち
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