御神体は人魚の手/這 いずる
 
悲鳴の螺旋が落ちていく
蒼穹を自由に飛ぶ舟は
藻屑と等しくなり
白の破片を散らかばして無人の島を飾る

目が合った他人の女の子と手を取り合って急降下した
握りしめた手は暖かくあり腕は海に浸されその先はなく
その手を引きずってわたくしは
自由な海の不自由な暮らしをはじめた

ここからずっと
ずっと先まであの空の向こうまで行ったとしても閉じた水槽
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