あたまを石畳にすりつけて感謝するしかなかったんだ/秋葉竹
 
あの日、
蛇のように
心も体も冷え切ったあたしに、
肌をあたためて
あげるから信じてねって
姫さまがおっしゃってくれるから
「ありがとうございます、救われます」
あたまを石畳にすりつけて感謝するしかなかった。
ただ、
今でもあの時のこと思い出すと、
泣いてしまいそうで困るんだ。

生きていくと
色んなことがあるよね。

昨夜も凍えた人が
「幸せになるには、なにを
どうすればいいのですか?」
姫さまに尋ねるんだ。

睫毛を伏せて
すこし震えていた姫さまは
「それがわからないのは、
つらいことですね。
けれど、あなたの絶望は

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