神奈川流星/オオカミ
 
せない
そんなむすめだから
ごめんね

かたい木目の
うすよごれたつくえは
にじんだ眼にばかり神秘的にうつる
すきとか きらいとか
せおってあげられなくて
わたしはただ
いまにもくずれおちてしまいそうなあなたたちの
ぶきようさを いとしくおもう




冬がおわるころ
こんなにも軽々しいからだで
あいたいな
あいたいよ
こんな背徳でも

わらうよ
ちぎれるくらい








いまにもくずれおちてしまいそうなあなたたちの
あざやかさに ふれられないかわりに



なみだというぼうりょくで
まいにちにであうのです


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