光の海/若原光彦
「だいぶ明るくなってきたね。
やっと車幅灯が消せるな」と私が言う。
あなたは「消さないほうがいい。
朝夕の時間帯がいちばん事故が多いから」と言う。
「なら消さずにおこう」と私は言う。
だからってわけじゃないが
「すこしどっかで止まって休みたいな」と私は言った。
あなたはなんの思い入れもないみたいに「さんせい」と言った。
さんせいみたいに聞こえた。
車から降りて
私が背骨をひねっていると、
あなたがふいに
「星が見える?」と言った。
「もうこんなに明るいんだから星は無いよ」
「ちゃんと探した?」
「いや」
「あれなんだけど」
とあなたがさした東の
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