「風の止まり木」 五首/
もっぷ
夕星(ゆうずつ)の夕より深い夕が来て十一月の宙の産声
箱舟の群れが港を離れゆく未明という名の時間(とき)の幕間
金と銀そしてこちらは銅の夢おさない日日のトラウマが問う
三日月に腰掛けて見るこの星の瑠璃色想うウサギ小屋の窓
夫亡き後わがかなしみのひとしおの波のまにまに浮かぶアネモネ
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