寂しくて辛い/渡辺八畳@祝儀敷
 
濁流に心を投げ入れる日々の反芻で
いつしか下流には心が貯まっていき
知らずのうちに大きな中州を作ってくれる
途切れることなく供給される心心心
振りかぶって乱暴に
半ば自暴自棄に
橋の真ん中 両岸から最も離れた所から投げ入れる
流れは激しく荒々しい
水は泥色で川底なんて見えない

よかったね君の心 どんぶらこっこ流れていくよ
よかったね君の心 どんぶらこっこ去っていくよ
それが何個も何個も何個も何個も

まるで大きな桃みたい
明るいピンクのまるまる
ピッチリとしていてきれい
だけど心が割れることはない
中から新しい子が飛び出てくることはない
いったい心は固く閉じ
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