かたち くぼみ/
木立 悟
床の瞳
傷の瞳
階段の球
水の震え
櫛の先が
標に刺さり
白く白く
咲いてゆく
流木のはざまを流れゆく
骨の行方をひとつ知るとき
咆吼を 雑音を
群青の浪が呑みこんでゆく
落ち葉を避けることもできずに
言葉は径に倒れゆく
かがやく球と
双つのまばたき
雨が去り また 雨が来る
褒美の夜のひと呼吸
きらびやかな傷
水のつらなり
どこまでも区別の失いものが
重なりそしてかがやきながら
光のしずくを落としながら
羽と手と花の姿に昇りゆく
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