恋歌 9首/もっぷ
 
一つ恋めばえても花を望むまい仄かな想いのままが身の丈


強がりを組み立て終わり終わらなくても終わったと消したアドレス


昨日みてない虹でした明日もまたみたいものです出さない手紙


そのひととかわす約束そのひとと会う数よりも一通のふみ


一篇の詩を解くようにいくつもの三叉路を選び折れてあなたへ


いつか来る死に別れとか生き別れとかすれ違い 秋のおぼろよ


苦しさとあしたとをはかる天秤の器に載せる歌を詠む夜


人の世で紡ぐわたしの歴史ならあなたの歴史に織り込まれたい


雨降る日ポストに一通あなたから言葉でなくて薫りが届く


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