それを夢洲(ゆめしま)とよぶ大阪湾/秋葉竹
 
記憶は戻らない
魚となってさっていった

秋の大阪湾のすべてをかんじようと
遠く淡路島までの星々のみちをさがす
泳げないから夜空をとぶよてい

港の教会ではいのりが
毎夜あすへ捧げるものとして
善いことを あすはいたします と告ぐ

忘れさられた大切なおもいでも
もはや消え果ててもどりくる魚もいない

ゆく秋にひとりとりのこされた兎
月をみあげてなに祈ることもなく

さんじゅういちフィートコンテナ凭れて
いっぴきの魚もおよがない月の海をただ眺める

月 もひとり
俺 もひとり

か?
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