さら さ らさ/木立 悟
 





整えてはいけない
光の火があり
あらゆる場所に揺れながら
熱の無い波を寄せつづける


水のような鳥の声
鳥が去り 水が来て
鳥が居ないことに気づかずに
いつまでも水を聴きつづける


花が花に歌いはじめ
あたりはふいに静まりかえる
欠片に見えぬほど小さな欠片
空の淵を金に染める


光は光に向かい
声は声にたどり着く
夜のような朝に灯る
ひとつの壊れた街灯に群がる


淡く やわらかく
細やかなものらが
暗がりに暗がりに降りつづけ
風につもり かたちを散らす


今にも割れそうな青空の下
ゆうるりとゆうるりと揺らぐ炎
水に浮かぶ氷に映る音
さらさらささらさらさ


















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