がうでぃでぃ/るるりら
 
でかけよう わたしの異郷へ 
じぶんは たぶん たぶんに じぶん以外のひととおなじ ゆめをみる 
名もない木こり 漁師 だれともつながる 百年千年先の森 空 海
街にもあるかもしれない 東急ハンズにもあるかもしれない ぽぇじぃ

いえいえ どこかにあるのではなく わたしの胸板から うまれくる森の種が銀色
ぷらちながピチカートを刻みピンヒールは飛沫する 情熱を可視化できる風が吹く
ゆれるるるる螺旋のるるるトカゲが極彩色でカスタネットを叩けば
ほらもう群生の魚 手足は水に代わり 太陽のマグマで揮発する私でない私 

「もう一回いうと がうでぃなんだよ」
おさないわたしのために 風呂場に 魚や蟹の形のタイルを入れて
日本の地中海で おじぃちゃんは いった
風呂あがりに高台に登って 「 ほら がうでぃだ 」 

眼下にあるのは唐戸市場ではない 
関門海峡でもなかった あらゆる物と物をつなぐカテナリー 
がうでぃな おじぃちゃんのポエジィ 
わたしの手にわたされた お魚のタイルは 遠い がうでぃに つづいている


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