想う/
秋葉竹
寒いけれど
プラネタリウムの屋上で
星座の等級を数えていると
水鳥たちが鳴いているのか
かきむしられる尖った声が聴こえる
見下ろすと小さな家の灯り
どこに魚が住んでいるのか
家から家へと泳ぐ影が見える
それは黒い世界を反転するのか
かなしみを幸福の色に変える
初めはわからなかったけれど
魚たちの星座はあすも泳ぐだろう
寒いけれど
プラネタリウムの屋上は
まぼろしを
噛みしめるには
よい と
想う
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