きれ ぎれ/
はるな
ゆうやけが 夕暮がせまる 胸に
ひときれ恋がのこっている
生活の匂いが残る玄関にも
落としものみたいにひときれ
かわいた浴室の壁にひときれはりついて
灰皿には もえつきた吸い殻とひときれ
こんな きれぎれのなかに
たしかにあったはずの 恋が
信じられないほどときは流れて
ほんとうに
信じられないほどいつまでもいきてる
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