天地無用/坂本瞳子
 
コスモが広がる

無限のコバルトの向こう側
ただ一つのスピカを求めて

両腕を力の限りに拡げて
それはまるで翼であるかのように

膝を曲げて
走るように
斜に構えて

疾風のごとく
天の向こうの
そのまた向こう側の
さらに上を目指して

目眩などもろともせずに

逆さであることも知らず

ふと気がつくと
サクライロに包まれて
緩やかに流れて行く
大の字になって
抗うこともなく
時の流れに任せて
終焉へと向かって

うつ伏せでいい
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