天地無用/
坂本瞳子
コスモが広がる
無限のコバルトの向こう側
ただ一つのスピカを求めて
両腕を力の限りに拡げて
それはまるで翼であるかのように
膝を曲げて
走るように
斜に構えて
疾風のごとく
天の向こうの
そのまた向こう側の
さらに上を目指して
目眩などもろともせずに
逆さであることも知らず
ふと気がつくと
サクライロに包まれて
緩やかに流れて行く
大の字になって
抗うこともなく
時の流れに任せて
終焉へと向かって
うつ伏せでいい
戻る
編
削
Point
(2)