霧の中の告白/tem8744
 
返り咲く渦巻き二つ 一つは一つを覆うように 一つが一つを守るように もしかしたらそれは愛のようで 最適化されながら酔うように 回転しながら 光を発しながら 高貴な匂いを振りまきながら ぶつかって一つになりかけたり 重なって一つになりかけたり 一つが一つを抱きしめるように 一つが一つを導くように たくさんの帆船と幽霊船が 粉雪のように舞う空間を進み まるで紫の薔薇 広がるワインの煙り うたた寝よりも永遠で それは一挙にベルを鳴らして クレヨンの雨がやんで 1977年の光化学スモッグのほとり 目に見えない透明の一つが まだ幼かった私の前で 跪いたのでした
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