里に下りて/藤鈴呼
哭きながら 栃の実を探す熊
今年は身入りが少ないのと嘆く
貴重な食料源を探し求めて山の中を歩くと
苔生した石が見えて来る
古びた南部曲家の奥に眠っていた馬たちを
ゆっくりと回想する
あの尻尾達に群がっていた蠅は
今頃どこへ行ったろう
ジョバンニに聞いてみたい衝動にも駆られるけれど
銀河鉄道は未だ遠い
淵野辺駅の到着音が
銀河鉄道999になったそうだと驚く
それはどうしてなのか
若者の多い街だから
未来へ向かうと創造するのだろうか
そんな想像を引っ提げては立ち止まる
大きな公園の程近くに ジャクサが在っただろう
イトカワの時には 大騒ぎもしたもんだ
駅前には鹿沼公園もあったろう
栃木を思い出す
同時に思い出すのは土地の実
それが きっと 本物の 栃の実
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
戻る 編 削 Point(0)