破滅/草野春心
 


  やさしさが
  夢のかげになって
  ぼくをとおりすぎた

  にわか雨がふる
  じき 夕暮になる
  街がせわしなくなる

  この時を忘れられないかもしれない
  つぶれた 羽虫のように ぼくは
  きみを好きになった



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