『かのん、の、「入院」』/川村 透
 
かのん、は
「入院」がだいきらい

だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく

かのん、は「さびしいよお」って泣く
かのん、は「さびしいよお」って泣く

「おかあさんがここにいるのに、どうしてそんなにさびしいのっ!」
おかあさんも涙目になって、
かのん、をぎゅっと抱きしめてから、水枕の氷を取りに階段を下りてゆく
「おとうさんが抱っこしてあげよう」
僕はクマのプーさんを抱きかかえるみたいに
かのん、をささえている

かのん、は「さびしいよお」って泣く

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