紙飛行機を飛ばしたいね、できるだけ優しく/宮木理人
し、最新のコンピュータで流れ行く経路の計算を始める。
故郷を離れて都会で暮らしはじめたその女は、普段の仕事中に見せる表情とはまるで別人のように、時おりこうして夜の公園を訪れては気がふれたかのようなあどけなさを垂れ流している。実際に何かの液体を垂れ流しているのか、そこら一帯はどこか湿っぽく、祈りに似た蒸気が空に舞い上がり、花火と重なり合う。
後ろのほうでは滑り台の上から不思議そうに女を見つめる子供がひとり、打ち上がる花火に色に顔の半分を染めながら固まっている。
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