とある十九の春想うと涙目/秋葉竹
 
切るや裂く
破るや壊すや絶望が
溢れた十九の春なのでした

あおはるに
痛々しくも見開く目
負けない「ひとり」も嗚咽を漏らして

あのゼミで
消しゴム借してくれた彼
五月の風から魔法の香りが

見えるでしょ
だって頬まで赤いでしょ
こんなにバレバレ すぎじゃダメかな

好きなのに
神様なんて大嫌い
赤くない糸 二度見した馬鹿

ピカピカの
ピンクを穢してくれた愛
ありがとうとはいえないけれど

疲れると
知らずにキツめの恋をして
溜め息だって初めてだった

好きだって
ほのぼのばかりはしてません
闘って勝つ 略奪されない

わか
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