石/寒雪
もうすぐ
水が冷たくなる
残暑が喧しい
気怠い午後
川の畔に佇み
いつまでも
変わり続けている
柔らかな水面を
見下ろしている
思い立って
浅瀬にしゃがみ
右手を突っ込んで
手に触れた
手頃な大きさの
石を掴んで
目の前に
引き上げてみせる
その石は
くすんではいるが
なんだか妙に滑らかで
手のひらに心地よく
その感触に
心が弾んでしまって
何度も何度も
撫でまわしてみる
だけれども
繰り返しているうちに
感触の滑らかさに
僕の心が
飽き飽きしてしまって
そのうち
意味も分からず
苛立ちを隠せなくなって
遂には
気に入ったはずの
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