意地の悪い/坂本瞳子
 
テーブルの上に置かれた瓶は
水滴を纏っていて
中身の冷たさを誇張している

だから触れてやる気にはならない
陽に照らされて温くなるがいい

酸味も消失し
不味くなったらいい

それでも飲んではやらないが
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