秋の星座/秋葉竹
七色の満月に
よりかかっている
骨になり泳ぐ魚
軽すぎて命が冷たい
星座になりきれなかった
群雄たちの成れの果て
七色の満月に
よりかかっている
眼鏡をはずし
からめるさよならの瞳
あけっぴろげで間違えられない
長いお別れの眼差し
その
助けてもらえませんか
時は夏が過ぎ行くのを見送り
まるで消えない呪いをかけられた様子で
ふたりきりの砂浜の
ちょっと軽めの足跡を
風化させずに残すだろう
いつまで残すだろう
いつまでも残すだろう
風鈴は夏の星座になっていたっけ
言葉にならない深い悲しみは
星空をとまどわせてはいないか
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