教室/秋葉竹
「悲しみって 日替りね」
少し軽めの春の陽気がつぶやく
金色の教室で新しいサヨウナラを見つけた
無人の机は古びた傷を刻んでいた
君の挨拶もサヨウナラとつぶやいていた
悲しみの言葉から彼は逃げていたのだろうか
つながりはどこにもなくただの傷だったのだろう
傷口にすり込んだ君の凍えた評価や点数に
涙目が明らかにかすれて
君は不器用に一言をしぼりだす
その諦めは新しい夢を生み
かつてない眺めを
花冷えの朝に見る
濃いめの筆力で鉛筆をぐんぐん書き込んで
目覚めたら手の届きそうな三色の虹
教室の窓ガラス
キラキラ散りばめられたダイヤモンド
かつて誰もが見たという白銀の陽光
あたるあたたかな笑顔
脆弱な者が夢を見る現実の正しさは無視し
それさえ
新しい若者の新しい癒しになるとしても
いったい
空気凍てつく無言を
突き崩されないよう守っている
君は
いまも癒しなど求めているというのか
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