NOBUKO/吉岡孝次
ら訣別させ
女の肌は水の国の月明かりに満ち
そしてまた今冷たい風が吹いています
聞こえますかNOBUKOさん
各国の政府は日々決断に苦慮しています
思索がだんだん疎ましいものになっていきます
努力はもう胸の太陽ではありません
教えて下さい
階級から生まれ階級から離れる僕が
天空のどこを叩けばあなたの真実を罵倒できるか
全ての叡智の故郷を訪ねるにはどれだけの耳を澄ませばいいのか
IV
NOBUKOさん
彼等の下した結論は今頃
あなたの島にも雪を降らせていることでしょう
そろそろ幼い思い出から離れられそうな気がします
もう答えを求めたりしません そのかわり
一緒に歌ってもらえませんか
静かに 明るい声で
「父は十字架
父は空
父は
一切の清浄な死」
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