気の向くままに/坂本瞳子
 
嵐の予感が心をざわつかせるから

淹れかけたコーヒーはそのままにして
字面を追うだけの本も閉じて
蝋燭に火を灯して動かずにいよう

気持ちを巡らせて翼を広げ
黒ずんだ雲が早く流れ行く空へ
飛んで行ってしまおう

心配などいらない
気持ちに任せればいい
ただそれだけでいい
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