コインランドリーの詩/ミナト 螢
濡れていたものが乾く間に
洋服もバスタオルも靴下も
タイムマシーンに乗っているのだ
スタートボタンを押すと始まる
カウントダウンの数十分が
洗濯物を異空間に置いて
溶かしたアイスが戻らないことを
コンビニの椅子に文句を言った
子供が遊ぶ乾燥機の中で
成長してくれたら楽なのにね
終わらなかった洗濯の続きが
高架下のロータリーを揺らす
コインを投げると回り出す地球
タイムマシーンに酔ったとしても
僕がしがみついて行きたい場所は
過去と未来のどっちなんだろう
戻る 編 削 Point(2)