終わり、そして始まり/忍野水香
 
うちの猫はもうすぐ十二歳になる
この二、三年 もう駄目だと思う時が
何度もあったので
いつ死んでも不思議ではないだろう
祖母は施設にいるが、もう九十五歳で
いつ知らせが来てもおかしくない

始まりがあれば
必ず、終わりがくる

毎年 夏に家族旅行をしていた時
この旅もいつか終わるんだなぁ、と思ったが
父が倒れてあっという間に亡くなり
旅は呆気なく終わりを告げた

終わらないものなど
何も無いのだ

夜空に輝く星だって
ある日 突然爆発して流れ星となって
消えてしまう可能性がある

終わり、は寂しいけれど
もう必要なくなったエネルギーは
感謝して手放し
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