風に問う/水菜
 
わたし、今、白い海に
翼が羽が白いそれが敷き詰められたそこに
裸足の足をのせて
乾いた柔らかな足先の敏感なそれ指の間に
柔らかな羽がやわやわとまとう 柔らかく沈む わたしの足の指の重みで
わたし、白い風に問う
変わりたい変わりたいと積極的にわたしを求めていたころ
わたしは、何も持たない イメージを何も持たない 女の子でした
今のわたし 過去のわたしを知らない
白い靄にかすれたそれを 遠くのように見てる
過去のわたしは、今のわたしからすればずっとずっと遠い白い階段のむこう
見えない雲のしろいそれに隠れている
わたし、今、変わることをもとめない
変わることを求めないわたしは 
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