ミサイルの朝/ミナト 螢
空に灰色の煙が立ち込め
干してある洗濯物を汚してゆく
Jアラートに掴まされた夢が
輪郭をなぞらなくて良かったと
テレビの前でスープを飲んでいる
前触れもなく飛んで来るのはきっと
虫の鳴き声や愛の言葉じゃない
ミサイルに邪魔されて届かなくなる
好きですのひと言を握り締めて
かつて平和だった時代に転がした
サイコロの目の数だけ叫ぼう
身を隠すよりも君に会いに行く
青春も平和もずっと続けば良いのに
僕等は願うことしか出来ずに
机の上のトマトスープが冷めて
何だか今日は血の味がするね
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