熱病/
水城歩
わからない熱波に目蓋落ちていくコルゲンコーワ君の名を呼ぶ
背中からよくないものが溢れてる脳から直に遠方へ飛ぶ
水の山ひらいた朝を仰ぎ見てほくそ笑むとき丹頂が啼く
瞳から瞳の距離に喘いでる手招く声にひたひたになる
簒奪の迷路ささいなナポリタン毛糸を少しずつ食べていく
恋恋と大きな夜を渡航する花を愛する端正なリラ
帰宅即横臥機械が唸ってて天井からは山蝉の声
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