冷たい欲望/星丘涙
 
私の欲望にふれてみた
とても冷たかった
まるで氷のように
冷たかった
そこには愛はなかった
ひとかけらもなかった
とても悲しかった
欲望は私のうしろに
ずっとついてきた
まるで影のように
ついてきた
私には満たされない
なにかがあった
それは何時も
欲しがっていた
満たされたいと
欲しがっていた
わたしはその正体を
知っていた
それは死ななかった
決して死ななかった

戻る   Point(4)