私の夏/
星丘涙
思いついた言葉をならべ
魚の様に泳がせては眺め
それを繰り返していた
嫌な湿気が躰にまとわりつき
汗が流れ落ちる
手招きするように日は暮れてゆき
無為に過ごした日々
庭の向日葵は枯れていた
いつのまにか高校球児たちは
熱闘の中を駆け抜け
わたしは空白の時を嘆き悲しみ
狼狽えている
玄関の隅に蝉の骸が落ちていた
それをじっと見つめる
私の夏はとうに終わっていた
そう思った
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