復活の呪文/ミナト 螢
 
詩の世界に身を預けてからは
コンビニのアルバイトのように
今日はもう上がっても良いよなんて
言ってくれる店長はいない

写真家は撮りたい画のために
何年もかける時があるという

僕はそれ程まで待てないけれど
表現に欲が出てきたせいで
台所に立つのも忘れがちだ

夢の中で出会えた言葉が
暖かい毛布みたいな愛で
夜に包まれて靴下を履くと

どんな車に乗っていたとしても
心の深い場所まで行けずに
安っぽい花を摘んでくるだけさ

僕の目は潰れてしまったのか?
目薬をさせば見えるだろうか?

さぁ一日が始まりますよ
朝は枕を裏返しにして
昨日の暗闇に光を当てる
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