大木/星丘涙
 
杉の木が詠う
縄文から 現代まで

墓は朽ちて 弔われず
時代を積み重ね
いま何処に

何を見たのか
戦乱の世か 泰平の世か

馬は走り
弓は放たれ
人は倒された

悲しいか 

雨に打たれ
風に吹かれ
日照りに耐え

何を見たのか

年輪を重ね
枝を増やし
節を作り
立っている

立ち続ける

この国は何処まで行くのか
見届けて欲しい

杉の木よ







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